"ゼロからグレブナー基底入門"にいってきた
はじめに
突然ですがグレブナー基底をご存知ですか?
2017年冬,私は「妹がグレブナー基底に持ち始めたのだが。」*1というカクヨムの小説で出会いました.
"グレブナー基底"初めて聞いた(見た)その単語は刺激的で,ポン酢が似合いそうだなと思いました.嘘ですごめんなさい
ちなみに,上記小説は普段小説を避けている私が一気に最後まで読み進めてしまうくらい面白く,また高度な知識を必要としないため中高生でも読める内容になっています.
先日,上記小説の著者であるグレブナー基底大好きbot(@groebner_basis)さんが講師として務められるイベントが開催され,学生枠が空いていたので参加してきました. groebner-basis.peatix.com
勉強会
グレブナー基底の定義
: 体.多項式環]のイデアルに対して,有限部分集合の先頭項から生成されるイデアルが,の先頭項から生成されるイデアルに一致しているとき,をのグレブナー基底と呼ぶ.すなわち,
一応独学で代数を勉強していますが,イデアルって何だっけ...?ってなんだ??といったように自分で読み解くには時間がかかりそうでした.
一旦定義はおいておいて...
ここで,グレブナー基底の歴史やグレブナー基底の応用についてのお話がありました.
個人的には暗号理論への応用が気になりました.
次に, (Leading Term, 先頭項)の説明,多変数多項式の割り算についての解説を受けました.
そして,もう一度定義に戻ってみると...?
最初に見たときに比べ,主張は理解できるようになってました.
講義の最後では,グレブナー基底を求めるブッフベルガーアルゴリズムの解説がありました.
計算量が多いとは聞いていましたが, と聞いたときは笑ってしまいました.
でも,実際に計算を行う分にはそこまでヤバくないらしい...?です.
演習
今回,2時間の講義と別に3時間の演習時間が設けられており,オンラインの計算ソフトWolfram|Alphaを使いながら演習問題を行いました.
演習問題では小説中に登場した嘘つきの問題を始め四色問題等が取り上げられ,それぞれ例題・基礎・発展があり十分なボリュームが有りました.
自分の手を動かして計算を行うのは久しぶりで,なんだかワクワクしました.
さいごに
勉強会では講義中に自由に質問できる機会を提供していただけたのは非常に良かったなと思います.
私もたくさん質問し,回答していただきました.
また,自分が気付かなかったことや認識が正確ではない部分に関して他の方が質問に対する回答を聞くことで理解することがありました.自分が疑問に思ったことは他の人も同様に悩んでいるかもしれないので,質問することは大事ですね.
正直私は数学科でもなければ特別数学が得意なわけでもないタダの数学が好きな人なので,数学の勉強会に参加するのは躊躇していました.
しかし,今回のイベントは"プログラマのための数学勉強会"さん主催で,前提知識が中高の数学だったので参加を決めました.
結果として,講義はめちゃくちゃ楽しくて学ぶことが多かったです.
これを期に,もう少し幅を広げて他分野の勉強会にも積極的に参加できたらなと思います.
紹介
今回の勉強会の講師を務められたグレブナー基底大好きbot(@groebner_basis)さんが執筆している書籍「妹がグレブナー基底に持ち始めたのだが。」の1巻と2巻は書泉さんで取り扱っています.*2 また,Amazon Kindleで電子書籍が販売されています.(Kindle Unlimitedの方はなんと無料で読めます!)
- 作者:グレブナー基底大好きbot
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: Kindle版
- 作者:グレブナー基底大好きbot
- 発売日: 2017/10/05
- メディア: Kindle版
- 作者:グレブナー基底大好きbot
- 発売日: 2019/06/15
- メディア: Kindle版
togetter
今回,勉強会を主催されたさのたけと(@taketo1024)さんがまとめてくださいました. togetter.com
*1:https://kakuyomu.jp/works/1177354054880542193
*2:https://www.shosen.co.jp/shop/products/list.php?transactionid=735b54b04fbcd671bb7d03d049647ef038da6803&mode=search&category_id=3&name=%E5%A6%B9%E3%81%8C%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%96%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%9F%BA%E5%BA%95%E3%81%AB%E8%88%88%E5%91%B3%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A1%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%A0%E3%81%8C%E3%80%82&search.x=0&search.y=0